長野県行政書士会

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台風19号被災の経験から

台風19号被災の経験から

2020年01月17日
はじめに、台風19号により私の事務所が被害を受けたことに際し、長野県行政書士会のみなさまから多大なご支援とご心配を賜りましたこと、紙面をお借りして、心より厚く御礼申し上げます。

さて、私の事務所は長野市穂保というところ、千曲川が決壊した場所から500メートルほど上流の、堤防のすぐ近くにあるのですが、残念ながら地域もろとも浸水被害を受けました。ただ、不幸中の幸いと言いますか、うちは浸水が一階までにとどまったため、建物の二階に設けていた事務室内の、仕事に関する書類やデータ、事務機器は被害を受けずに済んだのです。

「10月14日現在の泥で埋まった宅内 奥の2階が事務所」

けれども、これはまさに「幸い」な結果論であって、堤防の決壊場所がほんの数百メートルずれていれば、お客様から預かった大切な書類や個人情報を流失していたかもしれず、行政書士業務に大変な痛手を被っていたでしょう。

それにしても、「天災は忘れたころにやってくる」とはよく言ったもので、自分が被災者の立場になるとは、あの光景を目の前にする瞬間まで想像もしていませんでした。本当は、過去に何度も水害に遭っている地域だということを知っていたのに、です。

これが、いわゆる正常性バイアスというものでしょうか。心のどこかでリスクを直視することを避けていたのかもしれません。少なくとも金庫を防水機能付きに換えたり、PCデータをクラウドストレージにバックアップするなど、いまさらながらBCP対策をしておかなければと考え直した次第です。

「コンクリート塀に付着した泥の線が高水位」

被災地では、大勢のボランティアさんのおかげで泥の搬出など力仕事はほとんど終わりましたが、これから再建に向けた被災者支援の各種申請手続きが本格化します。市の窓口に行けば職員が丁寧に説明してはくれますが、行政手続きが本業の私でさえ、複雑で面倒に感じるほどです。

そもそも何をどこに相談に行けばよいかもわからないでいる高齢者世帯も多く、この方たちが置いてきぼりにならないためのサポートが必要だと思うのですが、今のところ、市はそこまで手が回らないように見えます。私たち行政書士の出番かもしれませんね。      (広報監察部 小西 勝)

 

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