長野県行政書士会

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渉外相続研修会

渉外相続研修会

2019年01月28日
県本会国際部と法務部共催の「渉外相続研修会」が1月28日、長野県行政書士会館において行われました。

県本会国際部と法務部共催の「渉外相続研修会」が1月28日、長野県行政書士会館において行われました。

 「渉外相続」とは、我々行政書士にとってもあまり馴染みのない言葉かもしれません。

 「渉外相続とは、被相続人または相続人が外国人である場合の相続のことをいいます」

 講師を担当された県本会法務部長の岡田忠興先生のそんな解説から始まった渉外相続研修会。岡田先生が過去に業務として携わられたイギリス人夫の相続の事例をケーススタディーとして講義を進められました。

 

 右に回り込ませる文章が入ります。講義は以下のように続きます。

「本件事案のように日本在住のイギリス人が死亡した場合、遺言・相続に適用されるのは日本法(民法等)なのか、それとも被相続人の本国法(イギリス法)であるのかが問題となります。

 また、自筆証書遺言の内容を執行するための準備手続きとして、家庭裁判所において遺言書の検認を受ける必要があります。その場合に日本の家庭裁判所に検認の申立てができるのか、日本の裁判所に遺言書検認の国際的裁判管轄権があるのかが問題になります。

 このように、当事者の国籍・住所、目的物の所在地などの法律関係を構成する諸要素が複数の国に関係を持つようなものを渉外的法律関係といいます。そして、渉外法律関係を規律する法が国際私法です」

 我々行政書士の誰もが、そのような国際私法の概念を意識して日々の業務に取り組んでいるわけではないのかもしれません。しかし、折しも改正入管法の施行をこの春に控え、従来の国際業務に加えて渉外相続の案件を取り扱うことも大いに予想されます。岡田先生の講義は、そんな来るべき行政書士業務について一つの指針となるべきものだと、受講された皆さんも実感されたのではないでしょうか。

 また、後半は、県本会国際副部長の春日博幸先生のご講義でした。日行連で行われた「渉外相続業務に関する実務者意見交換会」での事例発表をもとに、春日先生から「特別永住者1世の相続において、相続人のうち、北朝鮮永住者がいたケース」等について興味深い実務をご紹介いただきました。活発に質問も出され、受講された皆さんの関心の高さをうかがわせる研修会でした。(法務部員 槇原 圭司)

 

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